「糸リフトに興味はあるけれど、種類が多すぎて違いがわからない…」
そんな不安を抱えていませんか?
糸リフト(スレッドリフト)は、使用する糸の素材・構造・製品によって効果や持続期間、仕上がりに大きな差が出ます。正しく選ばなければ、思ったよりリフトアップされなかった、効果がすぐに切れてしまったといった後悔にもつながりかねません。
この記事では、糸リフトの種類を徹底的に分類・比較し、目的や部位に応じた最適な選び方を解説します。さらに、実際によく使用されている代表的な製品(VOVリフト、ミントリフト、テスリフトなど)の特徴や違いも詳しく紹介。
施術を検討中の方も、すでに経験がある方も、この記事を読むことで自分に合った糸リフトの選び方がわかるようになります。 後悔しないために、まずは糸の種類の基本からチェックしていきましょう。
糸リフト(スレッドリフト)の種類はどう分類される?
糸リフトにはさまざまな種類がありますが、大きく分類すると糸の素材、構造(形状)、デザイン(特殊加工)の3つの視点があります。これらの違いは、リフトアップ効果の強さや持続期間、ダウンタイムの出方などに直接影響するため、選ぶうえで非常に重要なポイントです。
以下では、それぞれの分類について詳しく解説していきます。
素材の種類(PDO/PLLA/PCL/非吸収性)と効果・持続期間
素材 | 特徴 | 効果 | 持続期間 | 代表的な製品 |
PDO | 医療用縫合糸として普及。柔らかく自然な引き上げ。初めてにおすすめ | ナチュラルな引き上げ/コラーゲン生成 | 約6〜8ヶ月 | VOVリフト、リードファインリフト |
PLLA | 肌質改善に優れた素材。コラーゲン生成が活発で中程度のリフト効果 | 肌のハリ改善/中程度の引き上げ | 約12〜18ヶ月 | リードファインリフト(PLLA)、Aphrodite |
PCL | 柔軟性と長期持続に優れる。自然な仕上がりと強力な引き上げ力を両立 | しっかりとした引き上げ/ハリ感の持続 | 約18〜24ヶ月 | ミントリフト、テスリフト、Venus Thread |
非吸収糸 | ポリエステルや金などの素材。溶けずに長期的に効果持続。リスクもある | 長期固定/半永久的なリフト | 数年〜半永久 | スプリングスレッド、金の糸 |
糸の素材は効果の持続期間や肌への刺激性に大きく関わります。
主な素材は以下の4種類です。
- PDO(ポリジオキサノン)
- PLLA(ポリL乳酸)
- PCL(ポリカプロラクトン)
- 非吸収糸
PDO(ポリジオキサノン)
項目 | PDO |
特徴 | 医療用縫合糸として普及。柔らかく自然な引き上げ。初めてにおすすめ |
効果 | ナチュラルな引き上げ/コラーゲン生成 |
持続期間 | 約6〜8ヶ月 |
代表的な製品 | VOVリフト、リードファインリフト |
もっとも一般的に使用されている素材で、医療用縫合糸にも使われる安全性の高い成分。吸収されるまでの期間は約6〜8ヶ月。リフト力はやや穏やかで、自然な仕上がりを求める人に適しています。
PLLA(ポリL乳酸)
項目 | PLLA |
特徴 | 肌質改善に優れた素材。コラーゲン生成が活発で中程度のリフト効果 |
効果 | 肌のハリ改善/中程度の引き上げ |
持続期間 | 約12〜18ヶ月 |
代表的な製品 | リードファインリフト(PLLA)、Aphrodite |
コラーゲン生成を促進し、肌のハリや弾力アップにも効果が期待できる素材。吸収までの期間は約12〜18ヶ月。引き上げ効果に加えて、美肌効果も重視したい人におすすめです。
PCL(ポリカプロラクトン)
項目 | PCL |
特徴 | 柔軟性と長期持続に優れる。自然な仕上がりと強力な引き上げ力を両立 |
効果 | しっかりとした引き上げ/ハリ感の持続 |
持続期間 | 約18〜24ヶ月 |
代表的な製品 | ミントリフト、テスリフト、Venus Thread |
柔軟性がありながらもしっかりとした引き上げ力がある素材。吸収までの期間は約18〜24ヶ月と長く、持続性を重視する人に向いています。皮膚への刺激も少なく、なじみやすいのが特徴です。
非吸収性
項目 | 非吸収糸 |
特徴 | ポリエステルや金などの素材。溶けずに長期的に効果持続。リスクもある |
効果 | 長期固定/半永久的なリフト |
持続期間 | 数年〜半永久 |
代表的な製品 | スプリングスレッド、金の糸 |
吸収されない永久糸で、効果も半永久的とされています。ただし、異物反応や感染リスクが高く、近年ではあまり使用されていません。糸が残り続けることによる合併症リスクを理解したうえでの選択が必要です。
糸の構造(モノスレッド・コグ付き・メッシュ)
糸リフトの糸の構造は主に、モノスレッド・コグ付き・メッシュの3種類があり、それぞれ目的に応じた使い分けがされています。
モノスレッド(単純糸)
突起やコグのない、非常にシンプルな構造の糸です。リフトアップというよりは、肌のハリやツヤの改善、コラーゲン生成の促進など、美肌目的で使用されます。目元や額など、皮膚の薄いデリケートな部位に使われることが多いです。
コグ付きスレッド(トゲ付き糸)
糸の表面に小さな「コグ(トゲ)」が付いたタイプで、皮膚の内側からしっかりと組織に引っかけて物理的に引き上げることができます。フェイスラインや頬など、たるみの気になる広範囲に適しています。リフトアップ効果を重視する方に最も多く使われる構造です。
メッシュタイプ(3D構造糸)
糸自体が網目状や立体的に編み込まれているタイプで、内部にコラーゲンが生成されやすく、肌のボリューム感や弾力アップにも効果的です。テスリフトのような「再生医療的アプローチ」を含む製品に多く用いられています。
このように糸の形状や構造によっても、リフトアップのアプローチが変わります。
目的が美肌なのかリフトアップなのかや、ほうれい線など細かい部分を引き上げたいのか顔全体引き上げたいかによって、選ぶべき構造が異なります。
糸リフト(スレッドリフト)のコグの形状と引き上げ力の違い
コグとは、糸に付いているトゲや突起構造のこと。糸リフトのリフトアップ効果は、このコグが皮下組織に引っかかることで発揮されます。コグの形状や向き、配置によって、引き上げ力や仕上がりに違いが生まれます。
強力な引き上げには360度やバーブタイプ、自然さ・固定力重視ならコーンタイプや球体タイプ、肌再生まで狙うならメッシュ+バーブタイプがおすすめ。
ここでは代表的な形状を紹介します。
バーブタイプ(片方向型)
一般的なコグ付き糸に多く採用されているタイプ。トゲが一方向に並んでおり、引き上げたい方向に対して強い牽引力を発揮します。フェイスラインや頬のリフトアップに向いており、糸の挿入方向を丁寧に設計することで自然な仕上がりにできます。
360度タイプ(多方向型)
コグが糸の周囲をぐるりと360度方向に配置されているタイプ。皮下のさまざまな方向にしっかり引っかかるため、全体的に面で支えるような引き上げ効果が期待できます。特にたるみの強い部位や、安定感を重視したい場合に向いています。
コーンタイプ(円すい型突起)
突起が「トゲ」ではなくコーン(円すい形)になっているのが特徴。柔らかい組織にもなじみやすく、引き上げよりも固定力と自然な仕上がりに優れる傾向があります。「シルエットソフト」に採用されているタイプです。中顔面やほうれい線まわりの施術に用いられることが多いです。
球体タイプ(ボール型突起)
糸に丸みのある球体状の突起が等間隔に配置されているタイプ。コグよりも柔らかく、皮膚に優しくフィットします。固定力は穏やかですが、肌への負担が少ないのがメリット。マイルドな変化を希望する方におすすめです。
メッシュ+バーブタイプ(複合構造)
3Dメッシュ構造にコグを組み合わせたハイブリッド型。コグによる引き上げと、メッシュによるボリューム補填や再生促進効果を両立できるのが強みです。代表的な製品としてテスリフトがあり、たるみと肌質改善を同時に狙いたい方に向いています。
【製品別】代表的な糸リフト(スレッドリフト)の種類と特徴一覧
糸リフトには、メーカーごとにさまざまな特性をもった製品があります。使用される素材、構造、引き上げ力、対応部位などに違いがあり、自分の目的に合った糸を選ぶことが大切です。以下は、代表的な糸リフト製品の特徴一覧です。
製品名 | 主な素材 | 特徴・構造 | 効果・持続期間 | 向いている部位・目的 |
VOVリフト | PDO | コグ付き(トゲ付き) | 自然な引き上げ・約6〜8ヶ月 | 頬・フェイスラインの軽度なたるみ |
ミントリフト | PCL | 360度コグ構造 | 高い固定力・18〜24ヶ月 | 中顔面〜下顔面のしっかりリフト |
テスリフト | PCL | コグ+3Dメッシュ構造 | リフト+ボリューム形成・12〜24ヶ月 | 頬のボリューム補正・輪郭形成 |
シルエットソフト | PLLA | コーン型構造 | 肌質改善+引き上げ・12〜18ヶ月 | 中顔面のリフトアップ・自然な変化 |
リードファインリフト | PLLA | コグなし・細め | ハリ・弾力改善・12〜18ヶ月 | 小ジワ・肌の若返り目的 |
APTOS Threads | 非吸収/吸収 | 多様な形状・コグタイプあり | カスタマイズ性が高い | 総合的なデザイン重視の施術に |
Rainbow Threads | PDO/PLLA/PCL | 素材・構造の種類が豊富 | 医師に合わせた調整可能 | 症例ごとに最適化可能 |
Venus Thread Lift | PCL | 柔軟性と持続性が特徴 | ナチュラルな仕上がり・18〜24ヶ月 | 自然なリフトを希望する人向け |
Aphrodite Thread | PLLA | 肌質改善重視 | 美肌効果・12〜18ヶ月 | ハリ・ツヤを求める人に |
スプリングスレッド | 非吸収(ポリエステル+シリコン) | 伸縮性あり・バネ構造 | 半永久・自然な表情に対応 | 表情筋がよく動く人向け |
金の糸 | 純金 | 非吸収・細い金属糸 | 理論上は半永久・再生医療的効果 | 施術事例は少なめ・要注意 |
ここではそれぞれの糸リフト製品の種類について紹介します。
VOVリフト
製品名 | 主な素材 | 特徴・構造 | 効果・持続期間 | 向いている部位・目的 |
VOVリフト | PDO | コグ付き(トゲ付き) | 自然な引き上げ・約6〜8ヶ月 | 頬・フェイスラインの軽度なたるみ |
VOVリフトは韓国発の人気製品で、PDO(ポリジオキサノン)素材を使用した吸収糸です。
コグ(トゲ)がついており、皮下組織にしっかり引っかかってフェイスラインを引き上げます。
比較的リーズナブルで、初心者にも適したスタンダードな糸リフトです。効果の持続期間は6〜8ヶ月程度となっています。
ミントリフト
製品名 | 主な素材 | 特徴・構造 | 効果・持続期間 | 向いている部位・目的 |
ミントリフト | PCL | 360度コグ構造 | 高い固定力・18〜24ヶ月 | 中顔面〜下顔面のしっかりリフト |
ミントリフトは柔軟で長持ちするPCL(ポリカプロラクトン)素材を使用。360度コグ構造によってあらゆる方向に強い引き上げ力を発揮し、たるみをしっかりとリフトします。中〜下顔面のリフトアップに適しており、1年半以上の持続力が期待されます。
テスリフト(3Dメッシュ構造でボリューム補正)
製品名 | 主な素材 | 特徴・構造 | 効果・持続期間 | 向いている部位・目的 |
テスリフト | PCL | コグ+3Dメッシュ構造 | リフト+ボリューム形成・12〜24ヶ月 | 頬のボリューム補正・輪郭形成 |
テスリフトはPCL素材に加え、3Dメッシュ構造が特徴の糸リフトです。
リフトアップ効果に加えて、脂肪組織と絡み合うことでボリューム補正効果もあります。頬や中顔面の立体感を出したい方に向いています。
シルエットソフト(コーン型・中顔面に向く)
製品名 | 主な素材 | 特徴・構造 | 効果・持続期間 | 向いている部位・目的 |
シルエットソフト | PLLA | コーン型構造 | 肌質改善+引き上げ・12〜18ヶ月 | 中顔面のリフトアップ・自然な変化 |
シルエットソフトはPLLA(ポリL乳酸)素材を使用した欧州製の糸リフトです。
糸に等間隔で配置された円錐形のコーンによって組織を物理的に持ち上げる設計です。
引き上げ効果と肌質改善効果の両方があり、特に中顔面に適しています。
リードファインリフト(PLLA・ハリ・肌質改善)
製品名 | 主な素材 | 特徴・構造 | 効果・持続期間 | 向いている部位・目的 |
リードファインリフト | PLLA | コグなし・細め | ハリ・弾力改善・12〜18ヶ月 | 小ジワ・肌の若返り目的 |
リードファインリフトはPLLA素材の糸で、コラーゲン生成を促進しながら肌にハリと弾力を与えるタイプです。
引き上げよりも美肌目的に近く、ナチュラルな変化を求める方に適しています。フェイスラインのたるみが軽度な方にもおすすめです。
APTOS Threads
製品名 | 主な素材 | 特徴・構造 | 効果・持続期間 | 向いている部位・目的 |
APTOS Threads | 非吸収/吸収 | 多様な形状・コグタイプあり | カスタマイズ性が高い | 総合的なデザイン重視の施術に |
APTOS Threadsは1990年代に開発された実績あるブランド。
吸収性・非吸収性両方の素材を扱い、ストレート、スパイラル、コグ付きなどさまざまな形状の糸があります。
症状や顔立ちに合わせてカスタマイズできるため、高度なデザイン施術に活用されます。
Rainbow Threads
製品名 | 主な素材 | 特徴・構造 | 効果・持続期間 | 向いている部位・目的 |
Rainbow Threads | PDO/PLLA/PCL | 素材・構造の種類が豊富 | 医師に合わせた調整可能 | 症例ごとに最適化可能 |
Rainbow Threadsは韓国製の高性能ブランドで、PDO・PLLA・PCLと幅広い素材ラインナップを持ちます。
糸の構造や太さ、コグ形状なども豊富で、施術者の技術力に応じた細かな施術調整が可能です。
Venus Thread Lift
製品名 | 主な素材 | 特徴・構造 | 効果・持続期間 | 向いている部位・目的 |
Venus Thread Lift | PCL | 柔軟性と持続性が特徴 | ナチュラルな仕上がり・18〜24ヶ月 | 自然なリフトを希望する人向け |
Venus Thread Liftは主にPCL素材を使用した糸で、柔らかく自然なリフトアップ効果が魅力です。
長期持続型でありながらナチュラルな仕上がりを重視しており、違和感のない引き上げを希望する人に向いています。
Aphrodite Thread Lift
製品名 | 主な素材 | 特徴・構造 | 効果・持続期間 | 向いている部位・目的 |
Aphrodite Thread | PLLA | 肌質改善重視 | 美肌効果・12〜18ヶ月 | ハリ・ツヤを求める人に |
Aphrodite Thread LiftはPLLAを中心とした糸で、コラーゲン増生を促すことで肌質の改善を目的としています。
引き上げ力は比較的穏やかですが、ツヤ・弾力の向上に適しています。肌の若返りを重視する方向けです。
スプリングスレッドリフト(ポリエステル+シリコン)
製品名 | 主な素材 | 特徴・構造 | 効果・持続期間 | 向いている部位・目的 |
スプリングスレッド | 非吸収(ポリエステル+シリコン) | 伸縮性あり・バネ構造 | 半永久・自然な表情に対応 | 表情筋がよく動く人向け |
スプリングスレッドリフトは非吸収性の特殊糸で、中心部にポリエステル、外側にシリコンを使用しています。
バネのような伸縮性があり、表情筋の動きに合わせて自然に動くのが特徴です。表情豊かな方でも違和感が出にくいですが、体内に異物が残るリスクがあるため要注意です。
金の糸
製品名 | 主な素材 | 特徴・構造 | 効果・持続期間 | 向いている部位・目的 |
金の糸 | 純金 | 非吸収・細い金属糸 | 理論上は半永久・再生医療的効果 | 施術事例は少なめ・要注意 |
金の糸を使用した糸リフトは純金の極細糸を皮膚に埋め込む非吸収型の美容施術です。
一時期注目を集めましたが、現在では施術対応しているクリニックは限られています。
美容効果にはエビデンス不足との指摘もあり、慎重な判断が必要です。
【部位別】糸リフト(スレッドリフト)のおすすめ種類はこれ!
糸リフトは、顔の部位ごとに適した製品や糸の種類を使い分けることで、より自然で効果的なリフトアップが可能です。ここでは、ほうれい線・マリオネットライン、頬・フェイスライン、こめかみ・目元の細かいパーツに分けて、それぞれにおすすめの糸をご紹介します。
ほうれい線・マリオネットライン
おすすめの糸:VOVリフト、テスリフト、ミントリフト
口元周辺は皮膚が薄く、年齢とともに深く刻まれやすい部分。コグ付きで強いリフト力を持つVOVリフトやミントリフトは、たるんだ皮膚をしっかりと引き上げ、口角の下がりを防ぎます。
また、テスリフトのようにボリューム補正も可能な糸を使うことで、凹みをふっくらさせてシワを目立たなくすることも可能です。
頬やフェイスラインのたるみ
おすすめの糸:ミントリフト、APTOS Threads、Venus Thread
中〜下顔面の広い範囲にかけてリフトアップしたい場合には、引き上げ力の強いコグ付き糸が最適です。特にミントリフトやAPTOS Threadsは、360度のトゲ構造によって広範囲をしっかり引き上げてくれます。
ナチュラルな仕上がりと持続性を求めるなら、Venus ThreadなどのPCL素材もおすすめです。フェイスラインのもたつき改善に適しています。
こめかみ・目元などの細部
おすすめの糸:リードファインリフト、Rainbow Threads(ショートスレッド系)、PLLA製モノスレッド
繊細なパーツには、細くて短い糸(ショートスレッド)やモノスレッドタイプが向いています。特にリードファインリフトは、ハリや弾力のアップを狙えるPLLA素材で、肌の再生力を活かして目元の若返りに効果的です。
また、Rainbow Threadsなどのブランドが展開する極細タイプのスレッドは、自然な印象を保ちながら引き締めたいパーツに有効です。
【目的別】あなたに合う糸リフト(スレッドリフト)の選び方
糸リフトは素材や構造によって効果や持続期間が異なり、施術後の印象やダウンタイムにも大きく関わります。
ここでは、ダウンタイムを抑えたい・自然に見せたい・しっかり引き上げたい・ハリも欲しいといった目的別におすすめの糸を紹介します。
ダウンタイムを短くしたい人向け
おすすめ:PDO素材のショートスレッド(例:リードファインリフト、モノスレッド)
ダウンタイムの短さを重視するなら、体内吸収が早く、腫れが少ないPDO(ポリジオキサノン)素材の糸が向いています。特にトゲのないモノスレッドやショートスレッドは腫れ・内出血リスクも抑えられ、術後1〜2日で日常生活に戻れるケースも。
引き上げよりもハリ感の改善や軽度の引き締めに向いており、初めての糸リフトにもおすすめです。
ナチュラルにリフトアップしたい人向け
おすすめ:PLLA素材の糸(例:リードファインリフト)、コーン型構造(例:シルエットソフト)
自然な変化を求める方には、コグの引き上げ力がややマイルドなPLLA素材やコーン型の糸が最適です。PLLAは時間をかけてコラーゲンを生成し、肌質改善しながらリフトアップするため、違和感のない仕上がりに。
また、シルエットソフトのようなコーンタイプはトゲがなく、組織を優しく持ち上げる構造のため、顔の表情が固くなる心配もありません。
とにかくしっかり引き上げたい人向け
おすすめ:PCL素材・360度コグ・メッシュ構造(例:ミントリフト、テスリフト)
しっかりとたるみを引き上げたい場合は、PCL素材の高い柔軟性と長期持続性に加え、360度にトゲがあるコグ構造の糸が効果的です。中でもミントリフトは強力な引き上げ力と長持ちのバランスが◎。
さらに、テスリフトのようにメッシュ+コグ構造を持つタイプは、脂肪や組織を中に包み込んでしっかりと固定するため、下顔面やフェイスラインのたるみに最適です。
肌のハリ・弾力も改善したい人向け
おすすめ:PLLA/PCL素材の糸(例:リードファインリフト、Rainbow Threads)
リフトアップだけでなく、肌全体のハリ・弾力をアップしたい人には、自己再生力を高めるPLLAやPCL素材の糸が効果的です。これらの素材は体内で分解される過程でコラーゲン生成を促すため、肌質改善と小じわの予防にも効果あり。
細かい部位への挿入や美肌目的での使用には、モノスレッド系(ショートスレッド)も併用されるケースが多く、複合的なケアが可能になります。
韓国製・日本製・欧米製|糸の特徴と安全性の違い
糸リフトに使用される糸は、主に韓国・日本・欧米(アメリカ・ヨーロッパ)で製造されています。
それぞれの国によって開発技術・規制・品質基準が異なるため、効果や安全性にも違いがあるのが現状です。
ここでは、代表的な製造国ごとの特徴を解説し、施術を受ける前に知っておきたいポイントを整理します。
韓国製の強み|VOV・ミント・TES系
韓国は美容医療大国として糸リフトの開発が非常に盛んであり、多くの美容クリニックで採用されているのが韓国製の糸です。
- VOVリフト・ミントリフト・テスリフトなどが代表的
- 製品の種類が豊富で、新素材・構造の進化も早い
引き上げ力とコスパのバランスが良いため、日本国内でも人気
特に、360度のコグ付きや3Dメッシュ構造など、高いリフト力や固定力を備えた進化系の糸が韓国から多く登場しています。
ただし、日本で医療機器として正式に承認されていない製品もあるため、使用クリニックの信頼性も重要です。
日本・欧米製との違い|厚労省認可・CEマーク
一方、日本や欧米で製造されている糸は、安全基準が非常に厳しく医療機器としての品質管理体制が万全という特徴があります。
- 日本製:国内での厚生労働省認可を受けた製品も一部存在
- 欧米製:CEマーク(EU)、FDA認可(米)などの基準を満たす製品が多い
いずれも品質・衛生・耐久性に関するデータと実績が豊富です。
たとえば、シルエットソフト(米国)やAPTOS(欧州)などは、世界的に安全性が評価されている製品群です。
その分、コストはやや高くなる傾向にありますが、信頼性重視で選びたい方には向いています。
施術時にチェックすべき糸の製造元と品質
糸リフトの仕上がりや安全性は、「どんな医師が施術するか」だけでなく、「どの糸を使用するか」でも大きく左右されます。以下の点をカウンセリング時に確認しておくと安心です。
- 糸の製造国と製品名
- 厚労省やCEマークなどの承認・認証状況
- 素材(PDO/PCLなど)と持続期間の目安
- 製品が正規ルートで仕入れられているか
- 施術実績が豊富な製品かどうか
中には安価なコピー製品や並行輸入品が流通しているケースもあるため、価格が極端に安いクリニックには注意が必要です。
糸リフト(スレッドリフト)の種類に関するよくある質問
種類で仕上がりに差は出ますか?
はい、明確に差が出ます。糸の素材や構造、コグの形状、挿入部位によって「引き上げ力」や「仕上がりの自然さ」が異なります。たとえば、PCL素材は柔らかくナチュラルな引き上げに向いており、PLLAはハリ感・肌質改善重視、PDOは即効性が高いなど、それぞれに特性があります。施術目的に合った糸を選ぶことが、満足度に直結します。
溶ける糸と溶けない糸、どちらがいい?
基本的には溶ける糸(吸収糸)が主流で安心です。
現在はPDO、PLLA、PCLなどの体内で自然吸収される糸が一般的で、リスクも低くトラブルが起きにくい傾向があります。一方で、金の糸やスプリングスレッドなどの非吸収糸はリフト力が長く続く利点がある反面、異物残存リスクや感染時の除去が難しいというデメリットも。医師の判断のもとで選ぶのが理想です。
痛みや腫れが出やすい糸は?
太くてコグが強い糸ほど、腫れ・痛みが出やすい傾向にあります。
とくに引き上げ力の強いコグ付きPCL糸や360度トゲタイプの糸は、挿入時の刺激や組織へのダメージが大きく、術後に腫れ・違和感が出やすいこともあります。逆に、細めのPDOモノスレッドなどはダウンタイムが短く、痛みも軽減されやすいです。
長持ちしやすい糸の種類は?
PCL(ポリカプロラクトン)やPLLA(ポリL乳酸)素材が持続力に優れています。
一般的な吸収糸の中で、PDOは6〜8ヶ月程度の持続に対し、PCLは18〜24ヶ月、PLLAは12〜18ヶ月と比較的長期間の効果が期待できます。ただし、糸の本数・挿入技術・生活習慣によっても変わるため、持続期間=効果の保証ではない点に注意が必要です。
韓国製は安全?
正規品であれば安全性は高いです。
韓国は美容医療先進国であり、VOVリフト・ミントリフト・テスリフトなど高品質な製品が多く、技術革新も活発です。ただし、並行輸入品や模倣品が流通するリスクもあるため、クリニックが正規ルートで製品を仕入れているか、認証(KFDA・CEなど)を受けているかを確認しましょう。
まとめ|糸リフト(スレッドリフト)の種類を理解して後悔のない選択を!
糸リフトは、使用する糸の素材や構造、製品タイプなどによって効果の出方や持続期間、ダウンタイムに大きな違いがあります。何となく有名だから・価格が安いからといった理由だけで選ぶと、仕上がりに満足できなかったり、思わぬ副作用に悩まされたりすることも。
本記事で紹介したように、糸にはPDO・PCL・PLLAなどの素材別の特性があり、さらにコグの形状や製品ブランドによっても仕上がりに差が出ます。また、施術する部位や目的に応じて、適した種類は変わってきます。
後悔のない糸リフトを受けるためには、自分の希望を明確にし、信頼できるクリニックでしっかりとカウンセリングを受けることが大切です。そのうえで、糸の特徴やリスクも理解したうえで選択することが、美しく長く満足できる結果につながります。
リナートビューティークリニックは施術前後のフォローが充実しています。ていねいなカウンセリングで、無理なく効果的な施術を提案してくれるのも魅力。
リナートビューティークリニックでは無料カウンセリングを行っています。相談だけでも問題ないので、まずは悩みや糸リフトのリスクについて気軽に相談してみてくださいね。